お疲れ様でーーす、のトミー爺です。
作詞メソッド、今回は「作品構成の理解」と「頑張り過ぎない作詞」という事で一緒に考えてみましょう。
頑張り過ぎない作詞ってどういう事?
しわき”デール”泉嬢の登場
さて、場所は都内某所、トミー爺の作家事務所が舞台になります。
ここに泉ちゃんこと「しわき”デール”泉」ちゃんという駆け出しの作詞家見習い が登場することに、、その泉ちゃんと一緒に皆さんも作詞家になるための冒険アドベンチャー?一緒にスタートしてみましょう。
さあ、、泉ちゃんの作家修行の始まり、始まり…
トミー爺、、会社のソファーでうたた寝をしている所に、泉ちゃんが登場。
泉
「社長!おはようございます!」
トミー爺
「オー、、泉ちゃんか?今日はどうしたの?」
泉
「社長…」
トミー爺
「おい、その社長はやめてくれよ、、トミーでいいよ」
泉
「OK ! じゃあ、トミー!」
トミー爺
「おい!!呼び捨てかよ、、?」
「せめて「さん」くらいはつけてよ…」
泉
「アー、めんどくさい親父…」 小声でつぶやく
トミー爺
「なんか言った?」
泉
「トミーさん??詞、出来たので見て下さい」
泉ちゃん、見た目はとってもチャーミングな娘だけど、かなり気が強い女子のようですね、、、
トミー爺、、最初っから押されっぱなしになっています。
トミー爺
「どれどれ…、、」
ふーん、、、、?????、、、、、
泉
「トミーさん、、どうですか?」
「私の作品」
トミー爺
「泉ちゃん、、これって肩に力入り過ぎだよ…」
泉
「力、入り過ぎって何?」
「私なりに結構頑張ったつもりですけど…」
作詞家は音楽家
作詞家は音楽家です。
ヒット曲は作詞家、作曲家、編曲家、歌手この4人の音楽家が共同で作っていきます。
作詞家はその1/4の責任を果たすためには、
- メロディを感じ
- 言葉を乗せるセンスを養い
- メロディが付けやすい
- 歌いやすい詞
の作り方を学ぶ事が大事です。
箸立てに学ぶ作詞術
トミー爺の友人から聞いた言葉を紹介させてください。
あるラーメン屋さんでの出来事です。
お店では開店前の準備に大忙し、、新人スタッフのAくんが忙しく割りばしを持って、箸立てに割りばしを補充していました。
大将
「ねぇ、、Aくん、、そんなに箸をぎっしり詰め込んだらお客さんが箸を抜けないじゃないか…」
さて、これってどういう事なんでしょう?
皆さんはどう思われましたか?
この話って音楽制作にもあてはまると思うんです。
ヒット曲って作詞家だけ、、作曲家だけ、、が頑張っても生まれません。
作詞家、作曲家、編曲家、歌手
この4人が、お互いの才能、能力を導き出す絶妙なさじ加減で仕事をするから、聞き手も「歌」に入ってこれるのだと、、、
この例え話を聞いてトミー爺はそんな風に思いました。
しかし、そのさじ加減はとっても難しいと思います。
でも、いつか必ず出来る時が来ると信じて、、
きっと、そのタイミングがヒット曲につながっていくのかも…
作品構成を理解しよう、、、
渋谷の事務所でトミー爺が泉ちゃんが作って来た作品をみていて…
泉
「そうかぁ、、、頑張り過ぎちゃったか…」
トミー爺
「そうそう、、全部自分で作ろうとしない方がいいよ」
「自分が、自分が、という事ではなく、作曲、編曲、歌手の人を信じて1/4の部分で全力を出すイメージを持てると良いね」
泉
「1/4の責任か…、、難しいな、、」
「泉にも出来る時が来るのかな?」
トミー爺
「きっと来るよ、、それまで努力しないとね…」
泉
「ねえねえ、、泉の詞、ほかはどうですか?」
トミー爺
「そうだなぁ 作品構成がまだだなぁ…」
「2ハーフ構成になっていないよ…」
泉
「??えっ? 何? 2ハーフって?」
トミー爺
「えッ?2ハーフを知らないの?」
「2ハーフっていうのは作品作りの基本だよ、、」
楽曲の基本構成「2ハーフ」
「2ハーフ」(ツーハーフ)は楽曲作りの基本構成です。
巷で流れている歌謡曲、ポップスを聞いていると1番があって、次に2番、、それと間奏があり、サビが2回繰り返される…こんな構成、聞いた事がありませんか?
曲作りって前にも書かせてもらったように4人のクリエーターが共同作業で作り上げるものです。
そこにはルールが必要になります。
特に詞先(詞を先に作る、、逆が曲先)の時は2ハーフが基本です
2ハーフを知らないとどうなるの?
詞先の場合、作詞家が作品構成を決める事になるので、もし指示がなく、勝手に変則構成を作ると作曲家、編曲家が困ってしまう事があるので要注意。
【2ハーフ構成】
- イントロ
- 1コーラス(1番)
- 2コーラス(2番)
- 間奏
- B or 大サビ
- ハーフ(1、2番のサビなど)
作曲家も編曲家もこの構成、流れで作業を進めていく、特に編曲家にとっては、この流れが一番「起承転結」を作りやすい、アレンジしやすい構成になっています。
もし作詞家が基本を知らないで、変則構成で作品作ってしまうと、他のクリエーターたちが困る…
その理由ってわかってもらえましたか?
一度「基本知らない人」というレッテルが張られてしまったら、次の仕事が来ない可能性があるので要注意。
作詞コンペの時にも役に立つ2ハーフ構成
将来みなさんは作詞コンペに参加しますね。
その時に役に立つのが、この2ハーフです。
どうしてか、、っていうと、通常コンペでは課題曲が提出されます。
その作曲デモは1コーラスか1ハーフのデモの時が多い。
作詞家はディレクターさんから構成の指示がない場合、2ハーフで作るのが暗黙の基本になります。
もしデモが1コーラスだったから、提出作品も1コーラスで…
これはNGで、必ず2ハーフ、もしくは2コーラスで作るようにしてください。
詞先ではBの行数を短めにするのが基本。
詞先での作詞でもう一つポイントになるのが「Bの行数」。
もしここが長かったらどうでしょう、、
作曲家はAが終わってサビに向けてBで盛り上げようとする。
でもBが長いために盛り上げが上手く作れなく、中だるみのメロディになることもある。
でもBを短めにする事でAで作った世界をBで増幅して、サビにつなげて行けるようになる。
まずは、この36行での作詞、、チャレンジしてみるのも面白いと思いますよ。
【行数の振り分け例】
1コーラス
A(4行) B(2行) C(6行)
2コーラス
A(4行) B(2行) C(6行)
ハーフ
C(6行) C(6行)
泉
「そうなんだ、、知らなかったです、、」
トミー爺
「泉ちゃん、今回の詞、2ハーフに構成しなおしてみなよ」
泉
「解ったトミー、、、泉チャレンジしてみるね」
トミー爺
「トミー、、、、また呼び捨て、、、」
泉
「あっ、ごめん、、、トミーさん」
トミー爺
「、、、じゃ、、明日13時に事務所で待っているよ」
泉
「明日の13時、、、頑張ってみる!」
さてさて、これからどうなるのか?
楽しみですね。
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【トミー爺のお勧め本】
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