お疲れ様で~スのトミー爺です。
トミー爺の経験から「何度も聞いてみたくなるデモは採用される」という持論があって、これって結構当たるんですよね。
ではなぜそうなのか?
それを考えてみると3つの要素を発見したんです。
- もう一度聞いてみたくなるデモ構成
- もう一度聞いてみたくなるメロディ構成
- もう一度聞いてみたくなるアレンジの演出
そう、キーワードは「もう一度聞いてみたくなる」です。
デモサイズは腹7分目サイズがベスト
トミー爺も普段作曲家から上がってくる作品を聞いていて、もう一回聞きたい…って何度もヘビーローティーションする曲、たまにあるんです。
大体、その曲は採用又はキープされているんです。
じゃあ何度も聞いてみたくなるデモってどんな感じに作られているのでしょう…
デモ構成は1ハーフが絶妙
丁度良いデモのサイズってあるんでしょうか?
「ハイ、ありますよ」
「実は1ハーフがベストなんです。」
「その理由はリピートしたくなる物足りなさです」
1ハーフとは「1番 間奏 サビの繰り返し」たとえばこのようなサイズ。
A (A’) B C (C’) 間奏 (D) C (C’)
1ハーフのデモってメロディの各要素がコンパクトに登場してきて、選び手も聞きたい、確認したいメロディがストレスなく聞けるメリットがあるんです。
そして、もう一つ大きなメリットが大サビがあった時も間奏後にすぐ登場出来るのでプレゼンにはもってこいの長さになるのです。
「でもトミー爺さん、1番終わって間奏、、そこでカットって事は?」
こんな質問が聞こえてきそうですね、、笑い。
実は聞き手としては1番が終わって間奏が登場すると
「あれっ?大サビがあるのかな?」と思ってくれるケースが多いので案外効果的な構成なんですよ。
ただその場合、間奏は4小節から8小節以内でまとめないと逆効果になるので要注意ですよ。
デモの勝敗はイントロで決まる
実はイントロって作品デモにとって最も重要なポイントになります。
それは「長さ&アレンジ」です。
【イントロの長さ】
イントロの長さは4小節から最長でも8小節にまとめましょう。
相手は作曲家が作るメロディを聞きたい。
そんな時に滅茶苦茶長いイントロが出てきたらどうでしょう…?。
「俺はイントロを聞きたいのではなく、メロディを聞きたいんだ!」
という事になり、Aメロが登場してきてもマイナスイメージからスタートすることになります、、これはもったいない…
トミー爺もディレクターさんと一緒に曲を聞く時感じるのが「何でここでメロが出てこないの…イントロ長すぎ、、」みたいに思った事が何度もありました。
それを聞いているディレクターもなかなかメロディが出てこないので「あれっ?」ってちょっとコケるか「ふざけんなよ…」と言いたそうに顔が曇ります、、笑い。
おまけにAメロがいまいちだと、完全に興味がない態度をする事も日常茶飯事…イントロの長さってデモ評価に影響を与えるので要注意ですよ。
【イントロのアレンジ】
これもかなりデモ評価に影響を与えます。
そこで皆さんに質問!。
「ショップの試聴機でお気に入りのCDを探した経験はありませんか?」
「その時にイントロ頭を聞いて、ハイ、次の曲ってした事ないですか?」
これと同じ事がデモを聞く時にも、、かっこよいイントロが登場すると
「おー、この曲期待できそう…」とみんな思います。
ライブでお気に入りのイントロが流れたとたん、会場は大盛り上がりするでしょ、、あれと同じでかっこよいイントロを作れる作曲家は採用率はあがります。
これは冗談抜きでそう思います。
サビを活かすも殺すもBメロが長さが
選び手ってサビで楽曲の評価を決めることが殆どです。
何故かというと、サビが良かったらCM狙いも出来るでしょ…
つまり、作曲家は「サビを効果的に聞かせる事」を意識しなければいけないという事になります。
サビに向けて聞き手の意識が集中している時に長いBメロが登場して来たらどうでしょう?
早くサビを聞きたいのにBの長さでイライラ…
明らかにサビの印象にマイナスに働くと思います。
英語でBメロの事を「ブリッジ」と言います。
BメロはまさにAとサビをつなげる「ブリッジ」だと思います。
フルサイズのデモは聞いてもらえない
聞いてもらえない事はないのですが、聞いてくれるポイントがだいたい1コーラスで、2コーラスに入った所でカットされることが多いです。
作曲家としては全部を聞いてもらいたいのは解りますが、例えば、100曲以上集まるコンペでは1曲フルサイズを4分としますね、、
4分 x 100曲 = 400分(約7時間)
全曲聞いていたら無理ですよね、、
そして気をつけてほしいのは、大サビの位置、もし大サビがあって2コーラス終わって間奏後に登場してきた場合、、、
もし1コーラスでカットされたら、永遠に「大サビは陽の目を見れない」という事になります。
ですのでフルコーラスデモは避けたほうが良いです。
ディレクターの千本ノック、針の筵によって鍛えられた
では、トミー爺はなぜそんなに自信満々に 「何度も聞いてみたくなるデモは採用される」と言い切れるのでしょうか?
それは作曲家のマネージャーとしての経験からです。
最近はファイルをメールで送るプレゼンスタイルが殆どですが、以前はディレクター氏の前でデモを聞いてもらうのが普通でした。
その時の経験を紹介させてもらうと、そこにちょっとしたヒントが見え隠れしてきます。
実はディレクターさんやプロデューサーがいる前で担当作曲家のデモを聞いてもらう時、本当に「針の筵」に座っているようでした。
ディレクターさんも本人が目の前にいる時は発言に気を使ってくれますが、マネージャーが持参した時は容赦なかった…
曲を聞いている時に相手の表情で反応が分かるんです。
「トミー爺さん、どの曲もいまいちだな…」などと言って、再度チャレンジさせてもらえればラッキーで、そこで打ち止めってことも何度もありました。
その代わりトミー爺が絶対の自信がある時は…
「あれっ?トミー爺さん、今回は自信ありげですね、、笑い」こんなやり取りも…そんな針の筵状態で色々勉強させもらったんです。
その時に痛感したのが
「切り札は相手が欲しい時、聞きたい時に登場させなくてはダメ!!」という事。
それが「デモサイズの長さ」だったり、「イントロ」や「メロディ構成」といういう話に繋がって行ったんです。
CM、TVサイズを意識したデモ作り
楽曲にCMサイズ、TVサイズってあるのを知っていますか?
CMサイズ→10秒、20秒強
TVサイズ→90秒弱
ドラマ主題歌狙いの時は70秒デモが常識
「70秒のデモ」って何?と思われる方も多いと思います。
特にアーティストのシングルCDやアニメソング狙いで作曲するデモテープの時は、これが結構大事なポイントになってきます。
その理由は「番組の主題歌、テーマ曲」を狙えるからです。
楽曲をプロモーション出来るケースとして「番組の主題歌、テーマ曲」があるのは知っていますね。
皆さんはこのTV主題歌ってどのくらいの時間数がオンエアーされるのか解りますか?
実は「約90秒弱」です。
やっと獲得したTVドラマ主題歌、アーティストにとってはこの時間内で最低ワンコーラスは流されないと困りますね。
でも、なかなかアーティストさんの作る曲は「そこを狙って作らない」ことが殆どなのでTV用にオリジナルサイズを編集することも日常茶飯事。
だからオリジナルを聞いたらTVで流れていた感じと違う…なんてことが出てきます。
ただ作曲家が作るデモはそれを狙って作れます。
それが「ABCのサイズを70秒で抑える作り方です。」
歌のサビで一番美味しい聞かせ所なのにその前で曲が切られてしまう…
こんな悲しいことが起こったら、泣いても泣ききれないですからね、笑い
イントロ+メロディ70秒=90秒
そこで制作側が考えることは、イントロからワンコーラス終わりまでの楽曲の長さを70秒から75秒前後に抑えたいと考えるのは当然、という事はそんな楽曲を選んでくる確率が高くなります。
あなたが作るメロディのワンコーラスの時間、長さを約70秒くらいに抑える、イントロの長さを約10秒前後を目安としてまとめ上げる。
この二つを肝に銘じてデモテープを作ってみてください。
レコードメーカーの制作側は
「シングルCDの長さを80秒くらいに抑えておいたら、約90秒の中で楽曲の一番美味しい部分はながれるし、もしかしたらサビを繰り返せるかもしれない」
その制作者側のニーズを最低でもクリアしているデモはポイント高いのは皆さんわかりますよね。
特にアイドル系のシングルコンペ、アニメ系のTVテーマ曲コンペへデモテープを出すときはこのポイントを覚えていると評価が高くなりますよ。
CMではサビ頭から10秒が使われる
もう一つ情報としてお伝えしておきたいのがCMのケース。
CMサイズって15秒、30秒の2パターンがあり、それぞれ楽曲が使われるケースが多いですね。
そのほとんどの場合、楽曲のサビ頭から使われます。
サビ頭から15秒サイズの場合で音楽が聞こえるのは「約10秒」。
後半は会社名などのタイトルコールが入るので楽曲の美味しい所はサビ頭から5~6秒しか流れないという事になります。
つまりサビ頭の1フレーズが命って事になりますね
ちょっとしたことですが、知っているのと知らないのでは「天と地」の差になるので意識してみて下さいね。
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