お疲れ様で~すのトミー爺です。
今回は作詞で必要な「物語」「人物像」の重要性について一緒に考えてみましょう。
もし興味がある方は最後までお付き合いくださいね。
作詞に物語って必要?
ちょっと前の話になるけど2014年12月末にフジテレビ系の年末特番「THEビッグチャス」という番組がありました。
歌手クリス・ハートさんが歌う曲の作詞家オーディションで、曲先で誰でも参加できる全国公開オーディションでした。
- 課題曲があり、それに作詞をしてその中から3名の作品を選ぶ。
- そしてその作品をクリス・ハートさんが番組内で発表。
- 視聴者投票でグランプリを決める。
そんな内容でした。
色んなストーリーを歌えるのが楽しかった…
その中でクリス・ハートさんが興味深い発言をされていたんですよ。
「色んなストーリーを歌えるのが楽しかった…」たしか、こんな
内容のコメントだったような気がします、、違っていたかな?
違っていたらスミマセン、、、、
ただ、この言葉って作詞をする人にとって、ものすごくインパクト
がある言葉だと思いませんか?
クリスさんは歌手の立場から、「作詞にはストーリーが大切…」という事と「歌詞のストーリー考えて、それをどうやって歌で表現できるか?」を考えながら歌っている…という事を教えてくれたのだと思います。
むかしむかしあるところに…
トミー爺が生徒くんたちにいつも話す内容があります。
- ストーリーが見えてこない
- 主人公、登場人物が見えてこない
ゼミやワークショップをすると必ず1~数度は上記の2つのアドバイスがトミー爺から出て来るんです。
しかしこれって絶対に必要な事ですが、でも必要ではない部分もある?
はい、、矛盾だらけの発言ですね。笑い
歌詞には最低限必要な「物語」「人物像」があれば良い
実際に作詞をするときって必ずしも「物語」「人物像」がパーフェクトに書かれている必要、必然性は無いと思います。
では、なぜ?しつこくその様にアドバイスをしているのか…
というのは、作詞をする時に、上記の作詞テクニックを習得している人が「登場人物像やストーリーの一部を省略して書く歌詞」と、その作詞テクニックを持っていない人が「物語、人物像を意識しないで」書く歌詞では違ってくると思うからです。
その為にトミー爺はSong Bankのメンバーと皆さんには、前者が出来る作詞家になってもらいたいのでついつい口から出てしまうんです。
素敵な物語を書く作詞術
クリスさんが番組で言ったあの言葉、、、それを聞いた時にうれしかったな…作詞を始めた頃、殆どの人はアイデアや自分が伝えたいメッセージを中心に書くことが多いですよね。
なかなか「素敵な物語を書く」という事に目線がいかないですよね
では、素敵な物語って何でしょう?
そこには人が重要な役割を持っていると思います。
作詞と人物相関図???
さて、外国の推理小説を読んでいて登場人物の関係がわからなくなった経験はありませんか?そんな時に冒頭に書かれている「人物関係図」を確認ししますよね…
また週刊誌などに連載されている連続小説を読む時に「前号までのあらすじ」をチェックしませんか?
これと同じことが作詞にも言えます。
人生相談に隠れている作詞術
たとえば貴方が親しい友人に人生相談をしたとします。
貴方は現在どんな状況なのか…どんな思いをしているのか…を切々と、又は熱く語っているとしますね。
でも相手の友人は理解できない表情をしている…
「ねえねえ…そのA子って貴方とどんな関係だったの?」
「ああなるほど…だからそんなことを言ってくるのか…それで?」
みたいに聞いてきますよね?
- 貴方は全ての人物関係、ストーリーが解っている
- でも聞き手には初めて聞く事件、初めて聞く登場人物で解らない
聞き手も解っている前提で相談してしまうからこのような事になってしまいます。
貴方より予備知識が少ない聞き手は混乱してしまいます。
これと同じことが作詞でも起きてしまうんです。
「あらすじ紹介」「人物紹介」だけの作品はつまらない…
だから「あらすじ」「人物」が見えてこない作品は分かりづらいという事になります。
でも、あらすじが書けている、人物紹介が書けている、、だけの作品はつまらない…
「トミー爺さん、あらすじや人物像は書かないとだめなんですよね…」
「じゃ、どうすりゃいいんですか?」
どうすると良いと思います?
おまけに歌詞って40行弱の行数ですね、、そこにあらすじや人物紹介を書いていくとすぐに行数が足りなくなってしまいます。
これで解るかな?の意識を持とう
そこで意識してほしいのが「この意図的に省略する…」という事。
だったら最初から省略して書く方法を教えてよ…
という事になる。
習字の勉強を思い出して、下記の順番で教わらないですか?
- 先生の書いたお手本をなぞって練習する。
- 出来るようになったらお手本なしで書いてみる。
- 最後に自分の思う通りに書いてみる。
これと作詞も同じだと思います。
- 物語や人物像をしっかりと書き込む練習をする。
- 物語や人物像の表現を意識して自由に書いてみる
- 意識しないで一気に書き上げる
つまり最初に「物語や人物像をしっかりと書き込む練習をしておけば」自然とその感覚が身についてくるはずなんです。
最初に「解っていて意図的に省略する」のと「気がつかなくて省略されていた」この違いを分かる訓練を最初にする、、という事。
そしてこれが作詞家の個性につながっていく、、、
その「意図的に省略する」方法やテクニックは一人一人違いますよね、それが作詞家の個性につながってゆくのだと思います。
とは言っても結構難しいテクニックだと思います。
諦めずに一歩一歩進むしかないのも事実だと思います。
でも今回「意図的に省略する」「知らないで省略している」では全く違う事が分かってもらえましたよね。
それを意識しながらの作詞。
これだけでも違ってくるはずです。
ぜひチャレンジしてみて下さいね。